建て込んではいるけれど閑静な住宅街に、二世帯住宅を作りました。まずは東と西に白いキューブを平行に並べ、親世帯と長男世帯とします。それをリビング部分でつないでコの字形の全体とし、中央南側に中庭を抱え込ませました。二世帯は面と顔をつきあわせるのではなく、中庭を介して間接的に繋がる形になります。

実は父も子も大のバーベキュー好き。中庭には耐火煉瓦で炉を作り、それを包むようにウッドデッキが拡がります。デッキに設けた段差はBBQのベンチにもなり、空間に変化と拡がりを与えるアクセントともなります。親子もまたその友人同士も、この中庭に集まってとても楽しそうに暮らしていただけています。

「前略、快適に過ごしています。孫が朝、おはよう！と覗きに来て、日曜日はどこかに旅行に来たように一緒に過ごしています。おふくろも読んでバーベキューもしました。　（中略）　　こんな素敵な家に住んでいいのかな？とさえ思います。中庭が皆の集まる場所となっています。ほんと、有難うございます。ニコニコ笑顔です。感謝、感謝！」とオーナーがメールに書いてくれました。設計も工事も苦労の連続ですが、こう言ってもらえると苦労も吹飛びます。まさに建築家冥利に尽きるといったところです。