--  ホワイトモノリス/長崎  --

■西に大村湾を望むなだらかな斜面。その頂に敷地はあります。裏山の森を抜けると↓↓↓

■視界が開けると思いきや、眼前には視界一杯に大きなコンクリートの壁が立ちはだかります。

■しかしこの壁に取り付いたオレンジ色の扉を開けると、今度は一気に180度を超える眺望の中に身が投げ出されてしまうのです。

■写真右側にオレンジ扉があり、それをあけると、この純粋に眺望を味わうためだけの白い床:エントランス・デッキに出てくるわけです。手摺りは視界を遮らぬよう2段下がったところに取り付けています。
■エントランス・デッキ見上げ    (北側外観)

ここでようやく建築が全貌を現します。

■南側外観

丸穴の空いた床版:モノリスがメインフロアになります。屋根は山側の2枚のコンクリート壁から片持ちで張り出しており、海側や室内には眺望を損なう柱は一切はありません。 (台風時に屋根がばたつかぬよう、先端は念のためステンレスの細い棒鋼で下に引っ張っています)

■さて、エントランス・デッキから左を振り向くと、やっと建物へのアプローチが見えてきます。    (写真は工事中のものです)
■ガラスの玄関扉を開けると、腰の高さにメインフロアの床版が見えます。こうして少し高いところに配することによって、モノリスの存在感を高め、そこに登ってゆく高揚感を演出しようとしているのです。(右に見える黒い塊はオーナーの食器コレクションを収納するギャラリーですが、これによって一度眺めを隠し、圧迫感を感じさせて、モノリスに登り切った時の開放感を更に強めています)

■リビングから南側を見る

片持ちの屋根の下にはサッシがありません。15ミリという分厚い強化ガラスを用いることで、目障りな枠をなくすことが可能になりました。

■リビングから玄関側を振り返る

左に見えるのは絶景キッチン、中央は食器ギャラリー、そして右側の赤いT字窓の向こうは、後述する暖炉コーナーです。

■この夕陽を味わうために計画されたのが、ホワイト・モノリスなのです。 それまで賑やかにおしゃべりしていた人たちも、日没の瞬間は誰もが口をつぐみ、じっと日の沈むのを見つめてしまいます。

 

 

■床には純白タイルの角を落としてLEDを埋め込んであります。夜になると↓↓↓
■LEDの間隔は80cmピッチ、端のLEDとガラスとの間は40cm。結果、LEDのグリッドはガラスに反射して、床版を超えて延びてゆき、空間は遙かに夜景の中へと一体化するのです。
   

<<<back     Photo-2>>>


(C)株式会社 榎本弘之建築研究所